Nong Khai

タイの東北地方はイサーンと呼ばれ、タイ人の間では田舎というイメージが強いらしい。人種的、文化的、地理的にもラオスに近い地域だ。2001年8月、タイの田舎町を見てみたいと思い、東北地方のもっとも奥に位置しているノンカイにメコン川を見に行った。

「タイの田舎町に行ってみたい」と言う僕に、ある人はスコータイ、またある人はコーンケーン、若い人は「田舎は何もないからタオ島に行ったらどう?」などなど、それぞれの人の好みによって、いろいろなアドバイスをもらった。

それらのどこも行ったことがないので行ってみたいという気持ちはあるものの、タオ島はビーチリゾートなので、今回、僕が求めているタイの田舎の生活を見るということとは違う、また、スコータイは遺跡ばかりが際だっていて・・・。とにかく今回は、とにかくイサーンのどこかに行こうと思った。

 

いろいろ考えているとき、タマサート大学の学生と話す機会があった。僕が「イサーンに行ってみたいと思っていますが、どこに行ったら良いと思いますか?」と質問したところ、「ノンカイが良いです」と即答してくれた女子学生がいた。その時までは、ノンカイは年輩の人がすすめてくれるところで、若い人はもっと違うところを言うのかと思っていた。

「そうだな。ノンカイに行ってみよう。メコン川を見よう。」僕は急いで飛行機の予約を入れ、旅行ガイドブックに載っているノンカイのホテルにも予約を入れてみた。ホテルに電話すると、英語があまり通じず、つたないタイ語を混ぜながら予約をした。「大丈夫かなぁ。本当に分かったんだろうか。」

泊まったホテルはThai-Laos Riverside Hotel。ノンカイのダウンタウン(っていうか中心部)からはちょっと離れているが、タイ・ラオス友好橋に近く、メコン川沿いに建っている中級のホテル。テラスレストランは、メコン川の上にあるような造りで、僕はメコン川に沈む夕陽を眺めながら、ナマズフレーク付きのソムタムをつまみにビールを飲んだ。蚊にくわれたけど、メコン川に沈む夕陽は最高のつまみだった。

ノンカイに行く途中の道路にも日本の国旗がはためいていたが、ノンカイの町のター・サデット船着場周辺にもたくさんの日本の国旗が飾られていた。この日、日本のプリンス秋篠宮がラオスに向かう途中、ノンカイでイミグレーションの見学をされるということで、ちょっとした騒ぎになっていたのだ。

バンコクからノンカイに行くには、飛行機でウドンターニーまで行くのだが、実は、僕は同じ飛行機に乗り合わせていた。と言っても、着陸するまで気づかなかったのだが、着陸直後、ビデオカメラマンなどが機内を走り回っていて、スチュワーデスが白人旅行者たちに、日本のプリンスが乗っていると説明しているのを聞いた。

 

秋篠宮様も見学された「ター・サデット船着場」は、地元のひとたちがラオスとタイを行き来するための場所。外国人はタイ・ラオス友好橋を通らないと国境を越えられないが、タイ人、ラオス人は、ここを使って行き来しているらしい。

そして、この周辺はマーケットとなっており、外国人観光客も買い物をしているし、地元の人も買い物をしている。後で知ったことだが、ラオス人はタイに来て食料や生活雑貨を買って帰る。中にはそうやって仕入れたものをラオスのマーケットで売っている。

ノンカイの中では、一番、にぎわっているところかも知れないが、それほどたくさんの店があるわけではない。それでも、店先で立ち止まると、いろいろと声をかけてきてくれるので、それなりにショッピングを楽しめるかも知れない。

僕は目覚まし時計が欲しかったのだが、値段はバンコクのマーブンクロンの方が安いくらいだった。やはり、こういうところで買うなら地元のモノか・・・でも、地元のモノってなんだろう?

ター・サデット船着場周辺で、秋篠宮様のご尊顔を拝した後、かなり暑くてそれからどうしようか考えていた僕に、トゥクトゥク集団が声をかけてきた。「ワット・ケーク?」と誘ってくる。

Thai-Laos Rieverside Hotelからずっと歩いてきた僕は、ちょっとバテていたので、適当に料金交渉して50バーツでワットケークに行くことに。(ワットケークについては別のページ参照)結局、一番、年寄りの、トゥクトゥクおじさんの車で、ワットケークに行き、おじさんはそこで待っているというので、観光して、またオジサンのトゥクトゥクに乗り、別のお寺に・・・ということを繰り返して、その後、夕方ホテルに帰るまで、ノンカイの町をウロウロしてしまった。

 

トゥクトゥクのおじさんは、年輪を感じさせる良い笑顔だ。どこかに着くと、「ロー」と言って、そこで待っていると言う。こんな調子で、3〜4時間貸切にして、ホテルで降りるときにいくらかとたずねると、ちょっと考えて300バーツと言った。値切る気持ちにならなかったので、笑顔で300バーツを支払った。

ところで、上と右の写真(4点)は、ワット・ポー・チャイ(Wat Po Chai)というお寺。本堂の中に入ると、左奥には団体でやってきて、お経を唱えている集団を発見した。かなり信仰深い人々が通ってくるお寺のようだ。

 

ノンカイにはたいして観光して回るところもない。やはり、見るべきはメコン川だろう。ワット・ケークはとても奇妙な像がたくさんあるお寺であるが、あまりにも奇妙なので、見ていてもよくわからない。だから、興味がある方だけ、見ていただけるように別ページにしておいた。

ノンカイに行ったら、ラオスのビエンチャンまで行ってみるという手がある。僕はノンカイのPhantavee Hotelの1階にあるツアー会社(Puy Fay Tour & Travel)に頼んで、オリジナルのビエンチャンツアーを作って行って来た。Patというビール好きのお兄さんが、酔っぱらいながらも1日ガイドをしてくれた。(詳細はラオスのページ参照)

ちなみに、Phantavee Hotelは町の中心に近い方にあり、そこそこ安いみたいなので、次回はここに宿泊でも良いかなと思っている。

今回泊まったThai-Laos Riverside Hotelは、1泊700バーツ。ビュッフェスタイルの朝食込みだが、あまり美味しくない。メコン川の眺めは良いのと、地下にはディスコがあり、夜になると紫色のネオンが異彩をはなっていた。夜10時過ぎになると地元の二人組、三人組の女性が入っていく姿を目撃したので、町の若い人にとっては重要な遊び場なのかもしれないが、僕は早起きと昼間の暑さ、それに夕陽を見ながら飲みまくったビールが効いていて、寝てしまった。

Thai-Laos Riverside Hotel (Tel. 042-460263〜7)

Puy Fay Tour & Travel (Tel. 042-460850)

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